Export Control
中国レアアース輸出管理の「0.1%ルール」とは
0.1%ルールと公告61号・62号の概要
2025年10月9日に中国商務部が発表した公告第61号・第62号は、中国原産のレアアース関連物や技術を用いて国外で生産された製品を中国以外へ輸出(再輸出)する場合にも、中国当局の許可を求める内容です。製品価値に占める中国原産の一部の中重レアアースの価値が0.1%以上の場合が「0.1%ルール」と呼ばれます。2025年11月7日に実施が一時停止され、停止期間は2026年11月10日までとされています。米中の貿易「休戦」は2027年1月10日まで延長と報じられており、最新の状況は本ページ「現在の状況」をご確認ください。
規制の全体像(公告61号・62号)
2025年10月9日、中国商務部は公告第61号(レアアース関連物の輸出管理)と公告第62号(レアアース関連技術の輸出管理)を発表しました。国外で生産された製品を中国以外へ輸出(再輸出)する場合にも中国当局の許可を求める「再輸出規制」と、レアアース関連技術の輸出規制が含まれます。
規制の4つの柱
| 区分 | 内容 | 施行日 |
|---|---|---|
| ① 0.1%ルール | 中国原産の一部の中重レアアースを含有する国外生産の製品のうち、そのレアアースの価値が製品価値の0.1%以上のものの輸出(再輸出) | 2025年12月1日 |
| ② 技術を用いた国外生産品 | 中国原産のレアアース関連技術(採掘、製錬分離、金属製錬、磁性材料製造、レアアース二次資源リサイクル)を用いて国外で生産された製品の輸出 | 2025年12月1日 |
| ③ 関連製品 | 中国原産のレアアース関連製品の輸出 | 2025年10月9日 |
| ④ 関連技術の輸出 | レアアースの採掘・製錬分離等の関連技術、およびその生産ラインの組立・調整・保守・修理・アップグレード等の技術の輸出は許可制 | 2025年10月9日 |
「コンプライアンス告知書」の考え方
- 再輸出規制では、輸出者が受取人(輸入者・エンドユーザー)に対して、中国原産のレアアースの価値比率を示す「コンプライアンス告知書」を発行することが求められます
- 日本国内の取引(国内移転)のみの場合でも、告知書の発行が必要とされています
- 例:磁石メーカーAがモーターメーカーBに磁石を供給し、Bが自動車メーカーCにモーターを供給する場合、価値比率が0.1%以上であれば、A→B、B→Cの各取引で告知書が必要となる、と整理されています
対象になり得る製品の範囲
- 一次製品に限らず、二次製品以降のアセンブリ等も対象とされています
- 過去に中国当局が公表したQ&Aでは、高度に加工した製品(モータ、スピーカー等)は公告18号の規制範囲に含まれないとされていますが、再輸出規制にも同じ考え方が適用されるかは明確でなく、高度に加工した製品でも規制対象になる可能性があるとされています
- 中国原産のレアアースが含まれているかの確認は、貿易実務上の負担になり得ます
用途による扱い
- 軍事ユーザー等への輸出、大量破壊兵器や軍事用途に使われる可能性がある場合は、原則として許可されません
- 14ナノメートル以下の論理チップや256層以上のメモリチップの研究開発・生産等が最終用途の場合は、個別審査となります
- 緊急医療や自然災害救助等の人道支援が最終用途の場合は、輸出後10営業日以内の報告と確約により、許可申請が不要とされています
現在の状況(2026年10月14日時点)
公告第61号・第62号を含む一連の公告は、2025年11月7日の商務部・海関総署の公告第70号により、2026年11月10日まで実施が一時停止されています(CISTEC資料)。その後の動きは次のとおりです。
- 2026年9月29日:中国商務省は米中首脳会談を受け、関税の一部やレアアース輸出規制の強化等を停止する貿易「休戦」の期限を、2027年1月10日まで2か月延長すると発表したと報じられています。ただし、公告61号・62号の一時停止期間(2026年11月10日まで)に同じ延長が適用されるかは、公式発表の文言で確認が必要です
- 10月5日〜9日の週は、中国による新たな輸出規制の発動・施行や禁輸リストの拡大は確認されていません(当社の週次モニタリング)
- 対日関係:民生用レアアースの対日輸出許可について、中国側が「民生分野であれば問題ない」と述べたと報じられていますが、具体的な制度変更や施行時期は明らかになっていません。通関手続きの長期化や対日輸出の低水準は、中国日本商会の調査で指摘が続いています(2026年9月)
- 米中首脳会談(2026年9月)では、レアアース供給規制について具体的な数値目標や期限は示されていません
情勢は変化しています。0.1%ルールや域外適用を含む中国側の規制動向は、引き続き注視が必要です。
公告18号(2025年4月4日施行)との違い
公告18号は、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの7種のレアアース関連物の輸出管理で、中国国内から輸出する場合が対象です。61号・62号は、国外で生産された製品や技術にも及ぶ点が異なります。
調達担当者が確認したい項目
- 製品に含まれるレアアース元素の種類と含有率
- 使用している材料の原産地
- 中国原産のレアアースが製品価値に占める割合
- 取引先からコンプライアンス告知書の提出を求められているか
- 現在の公告の実施状況(停止・再開)
当社へのご相談
個別の製品が該当するかは、組成や製造工程によって異なります。当社の重希土類フリー材の考え方は、レアアース輸出規制への対応をご覧ください。用途・数量・使用温度などをお知らせいただければ、個別にご案内します。お問い合わせはこちら
出典(2026年10月時点の公開情報)
- CISTEC事務局「中国によるレアアース関連貨物及び技術の輸出管理規制の強化について」(2025年10月9日、改訂5版 2025年11月10日)
- 中国商務部 公告2025年第61号・第62号・第70号(上記CISTEC資料に基づく整理)
- 当社「レアアース輸出管理規制 週刊レポート」(2026年10月2日・10月9日)、「同 月次レポート」(2026年9月)。報道に基づく整理であり、記載内容の真偽・正確性は保証されません
※本ページは一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の判断は、専門家・所管当局にご確認ください。
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